保護した子猫をボランティア団体の施設前に段ボールに入れて置いていく。動物の遺棄は犯罪です。
子猫の入った段ボール箱が遺棄されたのは2021年10月12日の午前5時ごろ、福島県いわき市にあるNPO法人動物愛護団体「LYSTA」(リスタ)の「保護猫ふれあいサロン」前に置かれていました。段ボールには「里親さんをさがすまで家においておけないと思い、こちらにつれて来ました。すいませんが、かってではありますがよろしくお願いします。」と手紙が貼られていたそうです。
動物の遺棄は犯罪です。動物愛護管理法では、1年以下の懲役または100万円以下の罰金になります。
「LYSTA」の代表・鈴木理絵さんは「子猫は生後2カ月くらいの三毛猫。遺棄した人は一度保護をされてから、私たちのところに連れて来たようです。非常に身勝手な行為…最後まで責任を持てないのであれば、保護すべきではなかったと思います。遺棄は犯罪です。警察に捜査してもらっています。やってしまったことは取り返しがつきませんが、自分から名乗り出てほしいです」と訴えます。
この記事がヤフーニュースで取り上げられて、ヤフコメのコメントを読んでいたらビックリするようなコメントがたくさんありました。少しご紹介します。
コメント1:
じゃ、保護が必要そうな猫(子猫、明らか弱ってる等々)を見つけたけど、自分では飼えない場合、見捨てるのが正しいのでしょうか?
どうしたらその猫を救えるのでしょう?
コメント2:
野良猫を助けてあげたい…って思いで保護団体を調べて連れて行ったんでしょうね。自分では飼えないけど助けて欲しいって思いながら。ボランティア保護団体が資金問題などで大変なのは理解できます。でも…保健所に持ち込まれる犬や猫の殺処分ゼロを目指しながら捨て猫や野良猫の場合は自分で最後まで責任持てないなら見て見ぬふりして!って言われているみたいで。遺棄するのは犯罪行為だから警察に通報…ですか。小さな命を救いたい…でも飼えない…どうしたらよいのでしょう?責めるだけでなく飼えない人でも小さな命を救う為の方法を教えて欲しいと思います。どうしたらその猫を救えるのでしょう?
コメント3:
自分で飼ってて遺棄したならともかく、保護して諸事情で自分の家には置いておけない。親切心で保護して面倒見てくれるだろう施設に置いていく…これを犯罪と捉えるにはちょっと酷だと思いますが。
いろんな意見がありますが、この問題が炎上したのはたぶん・・・
ボランティア団体なのになぜ保護してくれないの?ボランティアのところにもっていってなぜ悪いの?身勝手な行為なの?と言う疑問を持っている人が多いということです。
私も個人でボランティアをしています。子猫を保護して里親を探し、野良猫は避妊去勢をしてリリース(元の場所に戻す)します。簡単な事のように思えますが、子猫を一匹保護するだけでかなりのお金と労力と時間、そして子猫を置いておく場所が必要になります。
★子猫を保護してから里親を探すまで★
★病院で検査
保護できる状態と言うことはかなり小さいか、体力が弱っているかなので、まず病院で健康状態を検査します。血液検査だけでしたら数千円くらいですが、感染症などの病気にかかっていると病院によりますが、数回病院へ行き数万円くらいかかります。(かかった費用はもちろん自分の負担です。)
★子猫を慣れるまで預かる
そして、子猫が元気になるまでお家や保護施設(シェルターなど。)で預かり、人に慣れるように遊んであげたりします。毎日のご飯代もかかります。子猫用の栄養のあるご飯を用意して、1カ月くらいで約5千円~1万円くらいかかります。
その他に、トイレの砂やタオルやゲージなども用意します。
ボランティアさんのお家にも先住猫や犬などがいるので喧嘩しないように気を使ったり、先住猫や犬も慣れるまで負担がかかります。これは飼っていない方からしたらわからないかもしれませんが、犬や猫も環境が変わると(新しい子がいるだけで)かなり負担が増えてストレスになります。
※かなり小さい猫だったりするとミルクを2時間~3時間くらい置きに与えるのでかなり労力が必要になります。
★里親を探す
ある程度慣れてきたら里親を探します。(譲渡会や掲示板だったりホームページだったり、ペットのおうちなどで)
●メールでのやり取りをしたり、電話でのやり取りをして一度お会いします。
●猫ちゃんにとっていい里親さんが見つかったらトライアルします。
●トライアル後、譲渡契約を結んで譲渡します。
この里親を探すだけでも数日間かかります。
電話でのやり取りで日にちを決めて会う約束をするのですが、すっぽかす人もおりますし、時間を守らない方もおられますし・・・突然キャンセルをする方もおられます。
もうこっちの予定なんか無視です・・・
1匹の子猫を保護して里親さんに渡すまで、早くても1カ月くらいかかり、決まらない場合はずっと里親が決まるまで毎月のご飯代やトイレの砂とかかかりますが、ある程度大きくなると里親さんが決まらない場合もあります。
そして、戻ってくる猫ちゃんもおります。やっぱり飼えません・・・と言われることもあります。
その場合はずっと面倒をみます。 保護した責任があるので決まるまでずっと面倒を見ます。ボランティア団体さんなどは数十匹~たくさんの子を保護しているのでかなり出費も増えています。寄付などでまかなったりしていればいいのですが、寄付もそう簡単に集まるものではないのです。
(ほとんどのボランティアさんは自腹なのです。決まらなかった猫ちゃんは一年くらいで避妊去勢をします。これも自己負担です。)
そして、ボランティアの方はもういっぱいいっぱいなのです。保護している猫ちゃんの数は限界まで来ています。仕事をしているし、休みの日も猫ちゃんの世話をするので自由な時間もないのです・・・なので、勝手に段ボールに入れて置いて行かれても困ります。
また、電話などで子猫がいるので保護して欲しいとか、家の近所の猫をなんとかしてくださいとか言ってくる方もおられます。なんとかしたい、助けたいそんな気持ちはわかりますが、こちらの気持ちも理解していただきたいのです。何匹も命を預かっていて増やすことはそう簡単ではないのです。ボランティア一人でできることは限られているのです。シェルター(保護施設)も限界まで保護しているのです・・・
ですからボランティアも商売でしているわけではないので、自分ができる範囲のことしかしません。
もちろん里親が決まって、猫ちゃんが幸せになったらまた他の猫ちゃんを助けます~
子猫を見つけた。弱っている・・・どうしたらいいだろう???
まず、この小さな命を助けたいと思ったら、自分が病院へ連れて行き検査をします。(もちろん自己負担です。)
元気になるまで預かり、里親を探してください。
もちろん今はネットで里親を探すことができます(掲示板やHP、ジモティーやペットのおうちなどで)。また、病院代がないのならクラウドファンディングなどで資金を集めることもできます。
動物愛護センターなどに連れていくこともできます。(子猫は里親が決まる可能性が高いですが、決まらない場合は・・・)
自分ができることをできる範囲でする。
もし、それができないのならそのままで仕方ないのではないでしょうか~
容易な気持ちで保護はしないほうがいいです。
保護したら最後まで責任をもって自分が飼うか、里親を探すか、動物愛護センターなどへ連れていくか、自分ができることをするべきです。自分でするしかないのです。間違えても人に丸投げはしないでほしいです。
みんな気持ちは一緒~小さな命を助けたい。もちろん、自分ができる範囲で保護しましょう。
自分で飼うことができ、ずっと一緒にいることができたら猫ちゃんも幸せなんですがね!
以前、「野良の子猫をみかけた・・・助けたい!保護するには~」という記事を書きました。安全な保護の仕方を記載しています。読んでいただけたら嬉しいです。